数学カフェの中の人達のブログ

数学カフェの中の人達が記事を書きます。

代数学の基本定理をベクトル場の特異点の指数の性質から味わう

この記事は数学カフェアドベントカレンダーの14日目の記事です。

 

adventar.org

 

昨日はまえすとろさんが以下のような内容で書いてくださいました。

lyricalmaestrojp.hatenablog.com


私の今年3大嬉しかったことの1つに入るのが黒田成俊先生の関数解析*1のセミナーが出来たことです。しかもまえすとろさんのような、ご専門に勉強されていた方にまで来て頂いて、感謝の気持ちでいっぱいです。。やってて良かった数学カフェ。。。

まえすとろさんのアドベントカレンダーの記事を通じ、今まで勉強してきたことの更に先が学べて、しかも個人的に興味深い証明手法、組合せ論的手法も用いられていると知り、俄然興味が湧きました。引き続き学習を進めたいと思います。

 

 

さて、私の担当です。元々予定していた内容があったのですが、今朝満員電車の中で常微分方程式の本を読んでいたらとっても面白い定理の証明に出会ってしまい、これは面白すぎる!!今日1日ハッピーだなこれは!というテンションになり、感動そのままにこの勢いで書いてしまおうと思い、この場を借りてご紹介させていただくことにしました。(予定していたものはまた改めて更新します。。。本当にマイペースですみません。。。)

というわけで選ばれた本日のテーマは、

代数学の基本定理
ベクトル場の特異点の指数の性質から味わう」


です。流れは目次の通りです。自身の解釈をあまり含められず、諸々の参考文献を編集しただけのものになってしまい大変大変恐縮ですがお読みくださいますと幸いです。(間違いなどありましたらぜひご指摘ください。)

 

 

 

代数学の基本定理とは

 

代数学の基本定理とは、

 

 

定理

定数でない任意の複素数多項式f(z)は少なくとも1つの複素数の根を持つ。
ただし、複素多項式とは、a_0, a_1, ... , a_n複素数 n自然数とするとき、
 f(z)=a_nz^n + a_{n-1}z^{n-1}+\cdots+a_1z+a_0
という式で表される複素関数のことである。この多項式の根は、f(z_0)=0を満たす複素数z_0のことである。



 

 

という定理です。このとても素朴な定理の最初の証明は方程式論の発展と共にガウスによって与えられましたが、数学の他の多くの分野にも現れます。

そして、あらこんなところに素敵なブログが。
  

 

taketo1024.hateblo.jp

 

代数学の基本定理の詳細な説明が気になる方は上を御覧ください。


また、代数学の基本定理という本の中では、代数、関数論、位相という3つの観点から、この代数学の基本定理の6通りの証明が考察されています。まずはこちらの書籍から簡単なものをいくつか紹介します。(ここでは証明の詳細は追いません。)

 

代数学の基本定理

代数学の基本定理

 

 

 

以下複素多項式\mathbb{C}[x]と書くこととします。

 

 

高等微積分学に基づく証明

 

 


補題1.1

 f(z)\in\mathbb{C}[z] とする。|f(z)| はある点 z_0 \in\mathbb{C} において最小値を取る。

 


補題1.2

f(z)\in\mathbb{C}[z] でかつ f(z) は定数ではないと仮定する。
f(z_0)\neq0 ならば、|f(x_0)||f(z)| の最小値ではない。

 

 


代数学の基本定理の証明1
f(z)をゼロでない複素多項式とする。補題1.1より、|f(z)| はある点  z_0 \in\mathbb{C} において最小値を取る。そのとき、補題1.2より、|f(z_0)|=0 。ゆえに |f(z_0)|=0。なぜならば、そうでなければ f(z_0)=0 は最小値ではないから。したがって f(z)f(z_0)=0 を満たす複素数の根 z_0 を少なくとも1つ持つ。

 

なんととてもシンプル!
続いて、

 

回転数の性質に基づく証明



つぎの曲線を考える。

\gamma (t) = z_0+re^{it}, 0\leq t \leq 2n\pi

 

幾何学的にはこれは、点z_0の周りをn回回転している円である。この曲線を積分すると次の様になる。

\frac{1}{2\pi i}\int_\gamma \frac{dz}{z-z_0} = \frac{1}{2\pi i}\int_0^{2n\pi} \frac{r^{it}}{ire^{it}}dt=n

整数 n は点z_0の周りの曲線\gammaの回転数と呼ばれる。より一般的に\gamma \mathbb{C}に於ける任意の連続的に微分可能な閉曲線で、z_0 \in \mathbb{C}-\gammaとすれば、

 n(\gamma, z_0)=\frac{1}{2\pi i}\int_\gamma \frac{dz}{z-z_0} 

 

は整数であることが示される。この整数 n上記の回転数と一致する。

さて、g(z)=z^nを考える。 C_r を原点を中心とする半径 r の円とする。\gamma (t) = re^{it}, 0\leq t \leq 2n\pi。 この円周上で z^n=r^ne^{int}z が円周上を一回転する間に z^n=r^ne^{int} は半径 r^n の円の周りをn回回転するので、関数 z^n は原点に関して回転数 n であるという。

 

 

 
同伴者の定理
1本のロープによって結ばれた2人の旅行者を考える。1人の旅行者 {f(z)} 
が原点の周りの円周上を旅行する時、ロープの長さ\epsilon がその半径よりも短ければ、仲間の旅行者 {g(z)} も異なった道を通って原点の周りを旅行する。
 
 

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代数学の基本定理の証明2
 f(z)=a_nz^n + a_{n-1}z^{n-1}+\cdots+a_1z+a_0 , a_n\neq 0, n\geq 1 と仮定する。根を求めるために a_n=1 として一般性を失わない。また、a_0=0 ならばz=0 は根であるから a_0\neq 0 と仮定して良い。

f:\mathbb{C} \to \mathbb{C}。また、\lim_{z \to \infty} \frac{z^n}{f(z)}=1

であるから、十分大きい円 C_r に対して、
 |z^n - f(z)| \leq \lambda r^n 。0< λ < 1。また  zC_r 上にある。

任意の r>0 に対してz^n は原点の周りの円 C_r をn回回転している。したがって同伴者の定理より  f(z) も原点の周りの十分大きい円 C_r をn回回転している。
十分小さい円 C_r に対して  C_r 上で  f(z)\approx a_0 であるからf(C_r) は小さい半径に対して回転数0であり、十分大きい半径に対しては原点の周りをn回回転するので、f(C_r1) が原点を通っているような中間の値 r_1 が存在する。故にf(z_0)=0を満たす C_r1 上の点 z_0 が存在する。Q.E.D.

 
 
 
 
さて、このような素朴な定理が、一体どのようにしてベクトル場と結びつくのでしょうか??

 

 

 

準備

 

多様体の基礎

 

準備として必要な定義をいくつか述べます。多少端折っているところもあるので、より正確な定義/議論は

多様体の基礎 (基礎数学5)

多様体の基礎 (基礎数学5)

 

を御覧ください。


以下 1 \leq r \leq \infty とします。


定義(C^r級関数)

座標が (x_1, ... , x_n) である n 次元ユークリッド空間  \mathbb{R}^n の領域  U 上の C^r 級関数 f:U\to \mathbb{R} とは、r回連続的微分可能関数f(x_1, ... , x_n) のことである。
 

 

 

 


定義(C^r写像

座標が (x_1, ... , x_n) である n 次元ユークリッド空間  \mathbb{R}^n の領域  U から座標が y_1, ... , y_m である m 次元ユークリッド空間  \mathbb{R}^m の領域  V への C^r写像 f:U\to V とは、C^r 級関数 y_i=fi(x_1, ... , x_n), (i=1, ... , m) のことである。
 

 

 


定義(C^r微分同相写像

f:U\to VC^r微分同相写像であるとは、f全単射であって、f, f^{-1} 共にC^r 級微分同相写像であることである。
 

 

 


定義(同相写像

f:U\to V同相写像であるとは、f全単射であって、f, f^{-1} 共に連続であることである。
 

 

 


ここまで、領域U, Vをユークリッド空間の領域として考えていましたが、より複雑な曲面を考えるために多様体という図形を考えてみましょう。

2つの紙片の一部を重ねて糊付けすると、より大きな紙片を作ることができます。また、貼り合わせ方を様々に変えれば、色々な曲面を作ることができます。


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 微分形式の幾何学(森田茂之著)より

*2

 

 

2つの  \mathbb{R}^n の開集合U,Vを重ねて張り合わせる、とは、同相写像f:U\to V によってUとVを同一視するということと解釈します。さらに、同じ多様体でも、滑らか、すなわち微分可能な多様体を作るためにはこの張り合わせの写像も滑らかでなくてはなりません。この写像が先程述べた微分同相写像であれば良い、ということになります。

 

貼り合わせ方のルールや開集合を定める位相についての議論などは割愛していますが(※後に追記します。)、このようにして多様体 M を作ることができましたので、多様体上の相速度ベクトル場についていよいよ定義をしていきましょう。

 

ベクトル場

 

まずはじめにベクトル場のイメージを持つために、力学系の観点*3から見た相速度ベクトル場についてお話します。その後、一般のベクトル場について説明します。

適宜、千葉逸人先生の、

 

改訂新版 ベクトル解析からの幾何学入門

改訂新版 ベクトル解析からの幾何学入門

 

 を参照/引用します。千葉先生の本分かりやすくてすごい!

地球上に吹く風邪の流れの様子は、矢印(ベクトル)を使って下図のように表現できます。

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こちらの図は千葉先生のこちらの書籍から引用しました。

改訂新版 ベクトル解析からの幾何学入門

改訂新版 ベクトル解析からの幾何学入門

 

 大事なことなので2回貼りました。。。




このように、ある曲面  M (空間M)の上を運動する物体があるとします(ここではMユークリッド空間の領域として考えることとします)。このときの運動の経路を、曲線 g(t) として下の図に表しています。ざっくりとしたイメージとしては、この時の運動の速度ベクトルをM上の各点で考えて集めたものがベクトル場です。

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速度ベクトルは黄色で書いたもの。



 x\in M をこの運動の始めの状態とし、 x から始まる過程の時刻 t での状態を g^tx で表すとします。このようにしてすべての実数 t に対して、この空間  M の間の写像

 g^t: M \to M

が定まります。これを時間 t 写像と呼び、すべての状態  x\in M を新しい状態 g^tx\in M に移します。たとえば g^0M の各点をそれ自身に移す恒等写像です。さらに g^t について次の式が成り立ちます。

 g^{t+s}=g^tg^s

これは、時間 s 経過した状態から更に時間 t 経過した状態は、時刻 0 から s+t 経過した状態と一致する、ということを表します。過程の初期状態をx\in M に固定すると、点 x はこの曲面 M の中の相曲線 {g^tx; t\in\mathbb{R}} を描きます。

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定義(1径数変換群)

集合 M の1径数変換群とは、M からそれ自身へのすべての実数 (t\in \mathbb{R}) をパラメーターとする写像の族 {g^t} で、すべての s,t\in \mathbb{R} に対し、

g^{t+s}=g^tg^s

であり、g^0 は恒等写像であるものとする。

 

 

 


定義(相空間)

集合 MM の1径数変換群 {g^t} との対 (M,{g^t}) を相流という。このとき集合 M を相空間といい、その要素を相点という。

 

 


定義(運動)

実数直線から相空間への写像
\phi: \mathbb{R}\to M, \phi(t)=g^tx

を流れ (M,{g^t}) による点 x の運動という。

また、この写像による \mathbb{R} の像を流れ (M,{g^t}) の相曲線という。
 

 

さて、ここまでで、ある空間 M 上での運動や流れが定義されました。これからは、より性質のよい運動に絞って話を進めます。性質の良さは、微分可能性を用いて表されます。

 

 

多様体上の(相速度)ベクトル場 

 


定義(多様体Mの微分同相1径数変換群)

多様体Mの C^r微分同相1径数変換群とは直積 \mathbb{R}×M から M への写像 g で下の条件を満たすものである。

 

g:\mathbb{R}×M \to M, g(t,x)=g^tx, t \in \mathbb{R},   x \in M

(1) gC^r写像

(2) 任意の t \in \mathbb{R} に対し、写像 g^tx:M \to M微分同相写像
(3) 写像の族 {g^t:t \in \mathbb{R}}M の一径数変換群

 

 

 

 


定義(相速度 \mathbb{v}(x)

(M,{g^t})ユークリッド空間中の多様体Mの微分同相一径数群で定義された相流とする。流れ g^t の点  x \in M での相速度 \mathbb{v}(x) とは、相点の運動の速度ベクトル

 \frac{d}{dt}|_{t=0}g^tx=\mathbb{v}(x)

のことである。

 

 

 

 


定義(相速度ベクトル場)

M 上のベクトル場 \mathbb{v} とは、M の各点 x に対し、x を始点とするベクトル \mathbb{v}(x) を対応させる対応である。

特に、ベクトルが0となる点をそのベクトル場の特異点という。
 

 

 

相速度ベクトル場とベクトル場

 


定義(ベクトル場)

MC^{r+1} 級のなめらかな多様体TM をその接バンドルとする。M 上の C^r 級ベクトル場 \mathbb{v} とは、C^r 級のなめらかな写像 \mathbb{v}:M \to TM であって、写像 p\circ \mathbb{v}:M \to M が恒等写像であるものを言う。ただし、p: TM \to M は射影とする。
 

 

注:M が座標 (x_1, ... , x_n) をもつ空間 \mathbb{R}^n の領域なら、この定義は相速度ベクトル場と一致する。 

 
一般に、曲面 M 上の各点 p においてある接ベクトル X_p が定義されていて、それが p について微分可能である時、その接ベクトル全体のことをベクトル場といい、X={X_p}_{p\in S} のように表すことにします。点 p\in S における接ベクトルを {X_p} と書くことにします。ベクトル場の接べクトルが0になるような点のことを特異点と言います。

  

ベクトル場の特異点の指数

多様体の向き

 

曲面上の各点で、時計回りと反時計回りの二種類の向きを定めることが出来ます。ある点で向きをひとつ指定すると、その点の近くの任意の点でそれと同じ向きが定まり、これを互いに「同調する向き」といいます。

曲面上の一点である向きを指定し、その点を出発する曲線上の各点に同調する向きを次々と入れて、曲線が出発点に戻ってくるような閉曲線を考えます。どのような閉曲線に沿って向きを伝播させても必ず元の向きに戻るとき、その曲面は向き付け可能といいます。 

 

 以下の図は有名な向き付け不可能な多様体メビウスの輪)の例です。

 

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閉曲線の指数


向きのついたユークリッド平面上のベクトル場を考えます。平面上に向きの付いた閉曲線が与えられていて、これがベクトル場の特異点を通らないと仮定します。点がこの曲線をひとつの向きに一周するとすると、考えている点でのベクトル場のベクトルは点が曲線状を動くのに応じて連続的に回転します。点が曲線を一周して元の位置に戻ると、ベクトルも元の位置に戻ってきますが、この間にベクトルはどちらかの向きに何回転か(n回とする)しています。このときのnを曲線の指数といいます。

 

これだけではちょっと分かりにくいですが、良い参考文献を見つけました!!!

 

改訂新版 ベクトル解析からの幾何学入門

改訂新版 ベクトル解析からの幾何学入門

 

 

この本の挿絵が素晴らしいです。。(あっ!千葉先生だ!)

 

以下のようなベクトル場の特異点の指数を計算したいとき・・・

f:id:mathcafe_japan:20171214232027p:plain

 

こんな風に考えます。

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厳密な定義は次の通りです。

 


定義(指数)

X={X_q}_{q\in S} を曲面 M 上のベクトル場、点 p\in S をその特異点とする。\mathbb{e}_1,\mathbb{e}_2 を点 p 近傍の各点で定義された接ベクトル空間の正規直交基底、\theta を各点 q において接ベクトル X_q\mathbb{e}_1 がなす角とする。特異点 p を囲む単純閉曲線 C に対してベクトル場 X の点 p における指数を

\gamma_p(X)=\frac{1}{2\pi}\int_C d\theta

で定義する。ただしCは点 p 以外の特異点を含まないものとする。
 

 





指数の性質 

 

性質1: 閉曲線の指数は曲線が連続的に変化しても、特異点を曲線が通らない限り不変。

性質2 : 曲線の指数はベクトル場の連続的な変形に対し、変形の途中で曲線状に特異点が現れない限り不変。

 

 

特異点以外ではベクトル場の方向は連続的に変化し、従って回転回数は曲線に対し連続的に変化する。回転回数は整数だから一定。

 

 Remark

複素平面 \mathbb{C} から原点を除いたところで、ベクトル場が \mathbb{v}(z)=z^n (nは正とは限らない整数)で与えられている。曲線 z=e^{i\phi}、向きは [\phi] の増加の方向とするとき、この閉曲線の指数は  n

 

 

正確な証明や、回転数との類似についての考察を書きたかったのですが間に合わなかったのでこの辺は証明割愛させてください。。。涙

 

 

 定理

平面上のベクトル場を考える。D を円板、S をその境界とする。
閉曲線 S の指数が0でなければ、領域 D の内部に少なくとも1つの特異点が存在する。

 

 

 証明のアイデア

もし特異点がなければ、SD の内部で特異点を通らずに連続的に変形して、D の平常点 O *4に十分近い曲線が得られる。こうして出来た小さい曲線の指数は0であるが、変形によって指数は変わらない。従って最初から指数は0。

 

 

代数学の基本定理の証明

 

さて、代数学の基本定理のベクトル場を使った証明に入ります。

まずは復習から。

 

 

定理
定数でない任意の複素数多項式 f(z) は少なくとも1つの複素数の根を持つ。
ただし、複素多項式とは、a_0, a_1, ... , a_n複素数 n自然数とするとき、
 f(z)=a_nz^n + a_{n-1}z^{n-1}+\cdots+a_1z+a_0
という式で表される複素関数のことである。この多項式の根は、f(z_0)=0 を満たす複素数z_0のことである。

 
a_n=1 として考えて良い。

複素平面z上のベクトル場 \mathbb{v}(z)=z^n + a_{n-1}z^{n-1}+\cdots+a_1z+a_0 を考える。ベクトル場 \mathbb{v}特異点が、考えている方程式の根である。
 
 

補題

半径が十分大きな円周の、 このベクトル場での指数はnである。

 

 

 

 


補題の証明
\mathbb{v}_t(k)=z^n + t(a_{n-1}z^{n-1}+\cdots+a_1z+a_0), 0\leq t \leq 1
は、元のベクトル場からベクトル場 z^n への連続的な変形を定義する。
r>1+|a_{n-1}|+\cdots+|a_1|+|a_0|
と置くと、r^n>|a_{n-1}|r^{n-1}+\cdots+|a_1|r+|a_0| である。従って半径 r の円周上には変形の途中で、\mathbb{v}_t(k)=0 となる特異点は現れない。指数の性質2より、この円周の元のベクトル場とベクトル場 z^n での指数は等しい。ところがRemarkよりベクトル場 z^n での指数は n である。Q.E.D.

 

 

 


代数学の基本定理の証明

先に挙げた定理より、半径 r の円の内部にベクトル場の特異点、すなわち方程式の根が存在する。よって代数学の基本定理は示された。Q.E.D.

 

 

 

 最後におまけ

 

 

Hopfの指数定理
コンパクト有向多様体M上のベクトル場の指数の和はMのEuler標数

 

 

これから証明理解したいです!

 

 

 

感想

今年は1月から女性向け数学講座と銘打って、自分のガロア理論の基本定理の発表をすることとなりました。その際に代数学の基本定理については少しだけ学んでいました。

時は流れて、9月の千葉先生のご講演に先立ち、予習回として力学系の基礎や関数解析を学び、また12月には、2月の微分幾何の予習回として多様体の基礎を学び始めています。

 

今朝、多様体上の微分方程式の面白い性質ないかな〜と思い、本*5の、ベクトル場の特異点の指数のあたりをふんふんと読んでいるたら、突然あっという間に代数学の基本定理が証明されていて、満員電車の中でとっても驚きました。代数学の分野の話が、こんなところにつながるのか〜〜と。。。


数学の面白さの1つは、色んな数学を使って1つの物事を表せることだと思います。今朝はそんな瞬間を味わうことができてとても楽しかったです!しかし、やっと面白いところの入り口に立ったようなものなので、これから気を引き締めて勉強していきたいと思います!!!!!また、もう少し上手く伝えられるように今後も頑張っていきたいですのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、明日はUnaoyaさんによる、Selberg trace formulaです。楽しみですね!
よろしくお願いいたします!!!!

 

参考文献

 

 

常微分方程式

常微分方程式

 

 

 

 

代数学の基本定理

代数学の基本定理

 

 

 

 

多様体の基礎 (基礎数学5)

多様体の基礎 (基礎数学5)

 

 

 

 

微分幾何学とトポロジー

微分幾何学とトポロジー

 

 

 

 

微分形式と代数トポロジー

微分形式と代数トポロジー

 

 

 

 

微分形式の幾何学 (岩波オンデマンドブックス)

微分形式の幾何学 (岩波オンデマンドブックス)

 

 

 

 

改訂新版 ベクトル解析からの幾何学入門

改訂新版 ベクトル解析からの幾何学入門

 

 

 

*1:

 

関数解析 共立数学講座 (15)

関数解析 共立数学講座 (15)

 

 

*2:微分形式の幾何学

 

微分形式の幾何学 (岩波オンデマンドブックス)

微分形式の幾何学 (岩波オンデマンドブックス)

 

 

*3:力学系とは何か明示してはいませんが、例えばこちらなどが気軽に概要が掴めて良いのではないかと思います。

http://www.jst.go.jp/crest/math/ja/suugakujuku/archive/text/1_Arai2.pdf

*4:平常点の定義を調べても、掲載している書籍やその他の書籍に掲載されていませんでした。。特異点でない点であるという認識ですが、正確に分かり次第追記します!

*5:

 

常微分方程式

常微分方程式

 

 

【日曜数学アドベントカレンダー2日目】2343の魅力を伝えたい。

この記事は、日曜数学アドベントカレンダーの2日目の記事です。

adventar.org

 

こんばんは。数学カフェの中の人の1人です。

時を遡ること一ヶ月前。。。

 

アドベントカレンダーのIDが2341という素数だったので、

おお、素数だ〜と思ってこんな投稿をしました。

すると、日曜数学会主催の tsujimotter さんからこんなお返事が。

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Oh...。

 

 

 

平和を愛するわたくし、争いごとは好みません。。。
こんなことで日曜数学会様との関係が悪化してはならない。。。
不安に苛まれるも、tsujimotter様は快く受け入れてくださいました。

 

 

 

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スーパープライムであることも知らない人間に、大切な番号がかっさらわれたと知って、きっと心中穏やかではないでしょう。

お前にかわいい娘はやれん!!!!!

 

何度叫んだことでしょう。。。
罵倒されても仕方がない。。なのに、快く大事にしてくださいと言って下さるこの度量の広さ。。。感服しました。。。tsujimotterさん、器が大きい!!!!!




と思ったその20分後。

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20分も引きずっている…。。。しかも日曜数学会1日目の投稿は2341について…。。。

 

そしてその初日の投稿がコチラ。

 

tsujimotter.hatenablog.com

 

 

あぁ。。なかなか寝付けず、頑張って待っていたのですね。。2341の到来を。。。

涙を禁じ得ません。。。

これはもう、私が、日曜数学アドベントカレンダーのIDである2343の魅力を伝えなくては!!!!!!!tsujimotterさんのためにも・・・・。そして、日曜数学会と数学カフェの友好的な関係のためにも!!!!!!



そうして立ち上がり、12月1日の諸々の締め切りで血反吐を吐きながら、今この記事を書いています。。。

 

 

2343: previous works

※せめてタイトルは壮大にしようと思い英語にしてみました。
まず、2343についての先行研究を調べてみました。
2017年12月1日13:10時点で、ブラウザはSafariを用い、私のiPhone7(OS11.1.2)で検索を行いました。その際の検索クエリは2343と致しました。また、お使いのソフトウェアが最新であることを確認いたしました。

 

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トップに出てきたのが宝くじの回。

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恐らく製品のID。

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そして、天使からのメッセージ…。。。


数についてやたらと詳しいブログ、インテジャーズで『2343』で検索しても、
\zeta(5)の値の一部でしか見出されませんでした。

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サーチ結果はこちら。

http://integers.hatenablog.com/search?q=2343 

 

殆ど最後の手段であるところの数の王国で検索。

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最も目立つ結果は、たまごプルップル!!となりました。
素数でもない、フィボナッチ数でもない、ベル数でもない、カタラン数でもない…以下略。

 

これだけNOが並ぶとは。2343はとっても普通な数と言えるでしょう。


2343 as a number experssed by N-ary notation

2343と言われると、我々はいともたやすく10進法表記だと思ってしまいます。
一体だれが10進法だと決めつけたのか。そうした決めつけは、知らず知らずのうちに人の創造性を奪います。そして知らぬ間に政権批判をしてしまうのです。常識を疑え!既存の10進法に敢えて立ち向かっていけ!!!ということで、アドベントカレンダーのIDはN進法表記であると仮定して考察をしてみました。

まずは計算機を用いて、2343_Nから10進法表記に変換します。



N 10進法
5 348
6 567
7 864
8 1251
9 1740
10 2343
11 3072
12 3939
13 4956
14 6135
15 7488
16 9027


あれ。全部3の倍数だ。。。
そうなのです。10進法表記のとき、各桁を足して3の倍数になるとき、その数は3の倍数になるという判定方法がありますが、N進法についても同様の考察ができます。

ここでは4桁以下の数に絞って書きます。以下法を3とします。


case1)

N=3k\pm 1, kは1以上の整数のとき


n^3\equiv\pm 1
n^2\equiv+1

n^1\equiv\pm 1

n^0\equiv+1

となって、3k\pm1進数表記された  abcd_{3k\pm1} (各桁の数字が上からa,b,c,dの順に並んでいる)を3で割った余りは、\pm (a+c)+(b+d)を3で割った余りと一致します。


case2)


 N=3k, kは1以上の整数のとき

 

n^3\equiv0
n^2\equiv0

n^1\equiv0

n^0\equiv1

 となって、3k進数表記された abcd_{3k}  (各桁の数字が上からa,b,c,dの順に並んでいる)を3で割ったあまりは、dを3で割ったあまりと一致します。


2つの場合を合わせると、すべての2以上の整数Nについて、N進法表記された4桁以下の数字が3の倍数になる場合は、a+c, b, dの3つの数が3の倍数になるときだと言えます。 

 2343_N 2343はa+c, b, dの3つの数がすべて3の倍数であるため、任意の5以上のN進法表記において3の倍数となります。ぱちぱち。

 

2343 as a 2x2 matrix

2343が10進数だという決めつけもよくないですが、
もしかしたら

A=\left(\begin{array}{cc}2\ \ 3\\4\ \ 3\end{array}\right)

という行列が、何らかの見えざる事情により1列に並ばされているのかもしれません。。。
この行列は、行列式≠0であるから一般線形群GL_2(\mathcal{R})の元です。

また、2343をいい感じに時計回りに並べて

B=\left(\begin{array}{cc}3\ \ 2\\4\ \ 3\end{array}\right)
としたら、特殊線形群SL_2(\mathcal{R})の元になりますね。

特に整数部分を持つ行列からなるSL_2(\mathcal{R})の部分群SL_2(\mathcal{Z})はフルモジュラー群と呼ばれ、これを\Gammaと書くとします。すると、以下の命題が成り立ちます。

 

命題 


任意の合同部分群\Gamma'\subset\Gammaに対してM_0(\Gamma')=\mathbb{C}となる。すなわちウェイト0の保型形式は定数のみ。

なんのことだかよくわからない〜って方は1月5-7日の数学カフェにぜひ来てね!保型形式にまつわる様々な話題をお話します!

 

引用元はこちら。

楕円曲線と保型形式

楕円曲線と保型形式

 

 

さて、調べてみると2343についての面白い性質が沢山でてきました!
特に2341はどんなにくるくるしても特殊線形群は作れませんからね〜。
辻さん、喜んでくれるかな??


明日は、mattyuuさんが、血液型の割合に感じる神の意志について書いてくださるそうです!明日も楽しみですね〜。

【Topology for biology 1】アドベントカレンダー1日目

はじめまして。数学カフェを主催する中の人の1人のN氏です。(星新一っぽく。)

2015年3月からアットホームな数学の勉強会をはじめて、今年も多くの方に来ていただくことが出来ました。1年で多くのことを学べましたので、活動の記録を記録をつけるため、皆様に寄稿していただくことに致しました。本日12月1日からクリスマスの25日まで1日1記事ずつアップしていくアドベントカレンダー形式で、計25記事投稿する予定です。ぜひお楽しみに!

投稿された記事はこちらの Adventar で一覧出来ますのでご覧くださいませ。

adventar.org

1日目は、わたくしNが担当させて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。 本日の記事の概要は以下の通りです。

具体的な研究例の紹介は、次回私が担当する機会にお話させて頂き、本日は分野の概観をお話します。

数学カフェについて

数学カフェ、と検索すると、いくつかの主体が数学カフェを開催しているようです。(良いこと!) 我々は、2015年3月から都内にて活動を行っており、数学者の方や数学を深く学ばれている方をお呼びして、週末およそ半日かけて1つの分野の導入を学んでいます。素晴らしい講師の方々にお越しいただいているので、昨夏頃から講演の準備として予習会を開催するようになり、9月の千葉逸人先生のご講演の準備としては黒田成俊先生の関数解析を毎週読むという熱い会になってきました。。良いことです。。年内に12章まで終わります*1。気合。しかもこんな会に70人を越える方に来て頂き、予習会も50人申し込みがあるので、世の中には意欲がある人多いんだなぁ〜と嬉しく思っています。。会を重ねるごとに学び方もより深くなってきているように思うので、ぜひ来年ももっと進化していきたいと思っています。

数学カフェ数理生物回の実施について

数学カフェの参加者は社会人が多いため、数学と諸分野の連携が進むような会になることを期待しています。そこで、物理学と比較すればまだ新しい(1970年ごろから始まった)数学と生物学の学際領域に的を絞り、数理生物回も不定期に開催しています。今年の2月にその第2回が開催されました。内容についてはこちらを御覧ください。

connpass.com

今回の記事では、この数理生物回の振り返り&発展の一環として topology for biology をテーマにお話し致します。

Topology とは

瀬山士郎先生は、トポロジー:柔らかい幾何学の中で次のように述べています(一部改変)。

Topology は日本語では位相幾何学と約されていますが、ここでの位相とは、「位置と形相」を省略したものと言われています。つまり、topology とは、位置と形相(かたち、ありさま、など)の幾何学ということになります。つまりは形のことですが、形とはいったいどんなことを指していうのか、あるいは形の本質がどの辺にあるのか、このような問いに topology 全体が答えていると考えられます。

このように topologyとは、図形に連続な変形を施しても不変に保たれる性質を調べる学問です。輪ゴムをびよーんと伸ばしても、輪っかであることは変わりません。このような性質を調べることで例えば、一見異なるもの同士もそのつながり方(構造)を調べることで同一視することができます。たとえば、人同士のつながり方を表すネットワークの解析の理論を、化合物の原子同士のつながりを解析する理論に発展させることが出来ます。

歴史

Topology の発想は、一般には18世紀頃、L. オイラーによって解決されたケーニヒスベルクの橋の問題にまで遡るとされています。一筆書きの規則など、今日のグラフ理論的考察がなされました。さらにポアンカレは、微分方程式の解の大域的性質に関心を持ち研究を進める中で、topologyの基礎づけを与えました。すなわち、微分方程式の係数などが様々な変化をするときに、その系の安定性はどのように変化するのかを考察しました。そして1895年に「位置解析」という論文を発表し、今日ホモロジー理論と呼ばれているものの原型を与えました。これは、図形のつながり方を精密に調べたいときに図形に対応する量として群を用いる方法です。

微分方程式からトポロジーまで、かなり飛躍があるように思えますが、これはざっくりと次のように説明されます。まず、力学系とは「時間」「状態空間」「時間発展のルール」の 3 つ組のことを指します。差分方程式は離散的な時間の変化に対応した時間発展のルールを与え、微分方程式は時間が連続的に変化するときの時間発展のルールを与えます。この系の漸近挙動,すなわち時間が無限大へと発散するときの系の振舞いに着目した点こそポアンカレの大きな貢献の1つで、常微分方程式に登場するパラメーターが変化したときに系の安定性はどう変化するか(変化しないか)、といった観点から、状態空間など空間の不変量の研究が進みました。

1999年以降、Persistent homology また persisitence と呼ばれる、古典的なホモロジーの理論を点群(たとえば有限の距離空間)に対して当てはめるような理論がうまれました*2 。Persistenceはノイズのあるようなデータの集まりに対し、そのデータの形やサイズに関する不変量を与えます*3 。たとえば、データの集まりを見て、人間はうっすらと、円になっている、球になっているなどと全体的な形状を判断できますが、そのようなデータ全体が作る形の特徴を求めるような方法です。(方法の概要は、後半のtopology of viral evolutionのスライドをご覧ください。)

Topology と biology の関わり

生命(現象)に登場する幾何的な特徴としては次のようなものがあります。

(1) あるものが存在する量の変化(変化の周期的な挙動を円周上の点の運動などとみなせる)

(2) ものそのものの形

(3) もの同士のつながりが作るネットワーク

※ここでは、もの ={遺伝子・タンパク質などの高分子、ホルモンなどの化学物質、臓器、脳などの神経、生き物の個体、etc}とします。

特に、(1)はコンピューターでのシミュレーションが可能になり始めた1970年代ごろから数理生物学の研究が進められるようになりました。(ストロガッツ引用)先に述べたように微分方程式を用いた力学系の研究の背景には幾何学的知見が豊富にあります。また、周期的な現象を円周上の運動とみなして解明する、蔵本モデルなどのような数理モデルも研究されています。このあたりは数学カフェの予習会(力学系の基礎)でも少し触れました。(厳密には topology とは離れるかもしれませんが、歴史的経緯を踏まえてここで話ました。)

(2)様々な生命現象を理解する上で、ものの形を理解することは重要です。たとえば、生命の個体レベルで見れば、ダーウィンの進化論(自然淘汰説)(ダーウィン59)に基づけば、生存に有利な形状のくちばしを持った鳥の個体は、その形質を示す遺伝子が子孫に引き継がれやすくなります。さらにスケールを小さくして、体の中で起こる様々な化学反応は、それに関わる物質間の形状(と表面電化)がぴったり合う部分が結合して行われますし、遺伝子に異常があり、故にその物質の形に変化が起こった場合、反応速度が上昇/低下して、疾患を起こすことがあります。(薬は、作用させたい部位に対して適切な強さでで結合する類似の物質を作って反応を阻害/促進させるというような作用によってその効果を示します。*4

(3)ヒトゲノム全体に含まれる遺伝子数は2万2287個であるということが明らかになっています。*5遺伝子が持つ情報はタンパク質に転写・翻訳され、タンパク質としてその機能を果たします。これらの多数のタンパク質が更に様々な低分子の化合物などと反応して、生命活動を維持しています。このことから、生命現象に関わる因子が作るネットワークはとても複雑であることは容易に想像出来るでしょう。このネットワークのトポロジカルな性質と、そのネットワーク全体で生み出す力学的挙動(反応の周期性や安定性など)の研究もとても盛んに行われています。また、化合物の形態そのものを1つのグラフとみなし、その部分構造と化合物の様々な性質の関連を見出そうとする研究も進められています。

次回予告

次回、私が担当するアドベントカレンダーでは、以下の研究の具体例についてまとめます。まずは項目のみ挙げます。

物質の形態そのものの解析手法と、ネットワークの構造とダイナミクスの関係についてお話する予定です。

(1) Topology for structural analysis (2) Topology for dynamical analysis

(1) Topology for structural analysis

 (1-1) Topology of viral evolution*6

 (1-2) Fatgraph models of proteins*7

 (1-3) Topological feature of chemical compounds*8

 (1-4) Persistent topology of proteins*9

 (1-5) 結び目とDNA

(2) Topology for dynamical analysis  (2-1) Network structures and their dynamics*10

 (2-2) Theoretical approaches for the dynamics of complex biological systems from information of networks*11

参考文献

本日の記事を作成した参考文献です!

第一回さきがけ数学塾「力学系

http://www.jst.go.jp/crest/math/ja/suugakujuku/archive/text/1_Arai1.pdf

応用数学基礎講座10『トポロジー』(杉原厚吉著)

トポロジー (応用数学基礎講座)

トポロジー (応用数学基礎講座)

トポロジー:柔らかい幾何学瀬山士郎著)

トポロジー:柔らかい幾何学

トポロジー:柔らかい幾何学

非線形ダイナミクスとカオス(Steven H. Strogatz著  田中久陽・中尾裕也・千葉逸人訳)

ストロガッツ 非線形ダイナミクスとカオス

ストロガッツ 非線形ダイナミクスとカオス

リーマンからポアンカレにいたる線型微分方程式群論(J.J.グレイ著、関口次郎、室政和訳) この本面白かったです。ポアンカレのところしか読めていないですが、数論の方も力学系の方も、もしかしたらトポロジーの方も楽しめるかもしれません。。

線形微分方程式と群論

線形微分方程式と群論

明日は、twitterID: simizut22さんによるtropical curve の moduli の話(前編)です。お楽しみに〜。

*1:ただし5,6章は飛ばしています。フーリエ級数はざっくりとやりました。

*2:Frosini and Landi, 1999; Edelsbrunner et al., 2002; Carlsson and Zomorodian, 2005, Monod 2017

*3:Cohen-Steiner et al., 2007

*4:より具体的に言うと、たとえばワクチンは、悪い作用をする物質Aと類似の構造を持っていて、弱毒化させてあるような物質A'を投与して、予め悪い作用をする物質の形を認識して対抗できる抗体を作っておく、という仕組みです。

*5:https://kotobank.jp/word/%E3%83%92%E3%83%88%E3%82%B2%E3%83%8E%E3%83%A0-155530

*6:これは数理生物回で話しました。Persistent homologyが用いられています。 発表スライドを貼ります。

www.slideshare.net

*7:同様に、タンパク質を境界付き二次元の閉曲面で表し、その曲面のオイラー数、境界要素の数、種数で分類する研究手法もあります。 これは、タンパク質の構成要素である20種類のアミノ酸が持つ共通の構造と、アミノ酸間の結合部位に出来る平面に着目したモデルです。

*8:化合物の構造をグラフとみなし、その部分グラフと化学的性質の相関を調べる手法も見出されています。

*9:タンパク質の幾何学的特徴をPHで解析する手法もあります。

*10:先に挙げたように、生体内の物質同士のネットワークの幾何学的特徴と、ネットワークの力学的挙動の関連を調べる研究が近年盛んに行われています。その幾つかをご紹介する予定です。

Diversity of emergent dynamics in competitive threshold-linear networks: a preliminary report Katherine Morrison, Anda Degeratu, Vladimir Itskov1 & Carina Curto

https://arxiv.org/abs/1605.04463

線形の常微分方程式にthresholdを設けて非線形性を導入したモデルを考え、そのネットワークの安定性がネットワークのトポロジカルな性質に依存するということを示した論文です。

*11:概要:

近代生物学の研究の様々な知見から、多種の生体内の分子同士の相互作用を表す大きなネットワーク図を多数得ることが出来た。そのようなネットワーク上の分子の活性のダイナミクスが生物学的機能のを生み出すと信じられている。一方で、ネットワークに基づいた分子の活性のダイナミクスの理解はまだ限られている。この問題を解決するため、望月先生らのグループは定量的な値を詳細に仮定しなくてもネットワークの構造の情報のみに基づいて決定される力学的特徴の重要な性質を決定するような2つの理論を構築した。1つめの理論は制御ネットワークシステムのアトラクターを対象にし挙動の詳細を明らかにする。2つ目の理論は反応ネットワークの定常状態のみに適用される。

1つめの理論は Linkage Logic と呼ばれる。この理論は、制御ネットワークに含まれる分子のサブセットを決定し、システム全体のあらゆる長周期の力学的挙動が特定/制御される仕組みを明らかにするものである。これは幅広い常微分方程式(ODE)に対して適応できる。

2つめの理論は、Structural Sensitivity Analysisとよばれ、定常状態にある化学反応のネットワークの、反応速度の摂動に対する応答感度を決定するものである。これらふたつの理論はそれぞれ制御/反応のネットワークの力学的性質を明らかにするものである。